米衣料大手ギャップの株価が28日の米株式市場時間外取引で下落した。通期の営業利益率が縮小するとの見通しを示したことが嫌気された。関税の影響が、同社の業績回復の勢いを鈍らせている。

ギャップが発表した8月2日に終了した第2四半期の既存店売上高は前年同期比1%増と、アナリスト予想の約2%増を下回った。中でも、「アスレタ」の既存店売上高が9%減と、市場予想の4%減よりも大幅に悪化したことが響いた。

リチャード・ディクソン最高経営責任者(CEO)の下で業績の立て直しを進めているが、ブランドごとの回復状況には差がある。主力の「ギャップ」や「オールドネイビー」は改善が見られる一方、「バナナ・リパブリック」とアスレタの回復は遅れている。

そうした取り組みの中で、関税が足かせとなっている。ギャップは通期の営業利益率が最低6.7%まで落ち込む可能性があると見込んでおり、前年実績を下回る水準となる。

前四半期には、中国からの輸入品の大半に対して関税率が30%、その他の国からの輸入品に10%が適用される状態が続いた場合、関税による正味の影響が最大1億5000万ドル(約220億円)に達するとしていた。カトリーナ・オコネル最高財務責任者(CFO)はインタビューで、現在の見積もりでは影響が最大1億7500万ドルに上るとの見通しを示した。

同社は調達先を中国などから分散させるほか、米国産コットンの使用量を倍増させるなど、関税対策に取り組んでいる。

決算発表を受け、同社の株価は米東部時間28日午後4時29分(日本時間29日午前5時29分)時点で5.4%安。

原題:Gap Drops After Tariffs’ Tolls and Athleta Weigh on Performance(抜粋)

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