(ブルームバーグ):ミラン米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長の連邦準備制度理事会(FRB)理事指名人事について、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合前に承認にこぎつけたいというトランプ政権の意欲的な目標は、実現する見通しだ。もっとも、共和党が主導する上院で手続き上の不備や想定外の反対がなければという前提が付く。
民主党はミラン氏の承認を単独で阻止することはできないと非公式に認めている。規則上、民主党にできるのは、来週に予定される指名承認公聴会後に銀行委員会で手続きを一時的に遅らせることや、本会議で数日間引き延ばす程度にとどまる。公聴会の日程はまだ発表されていない。
トランプ氏は側近のミラン氏を、クーグラーFRB理事の早期退任に伴う空席ポストに指名した。ミラン氏は今年既にCEA委員長人事で上院の承認手続きを経ており、その際は共和党の賛成多数(53対46)で承認された。共和党からの反対票はなかった。
民主党はミラン氏の指名を票数では阻止できないものの、ミラン氏は公聴会で厳しい追及を受けるとみられる。焦点となるのは、トランプ大統領によるクックFRB理事解任の動きやFRBへの利下げ圧力、政権のその他の経済政策だ。
さらに、これまでFRBの独立性を擁護してきた共和党議員からも質問を受ける可能性がある。銀行委員会のジョン・ケネディ上院議員(ルイジアナ州、共和)は、パウエルFRB議長を批判の集中砲火から擁護してきた。
スーン上院院内総務(共和)はホワイトハウスの方針におおむね従い、指名承認採決を優先事項としてきた。ベッセント財務長官など政権当局者らはミラン氏について、9月16-17日のFOMC会合前に承認されるのが望ましいとの考えを示している。
トランプ氏は上院本会議で共和党の最大3票まで失う余地があるが、これまで大きく物議を醸した人事でさえほぼ例外なく上院を通過させてきた。
原題:Trump Pick Miran Is on Track for Confirmation Before Fed Meeting(抜粋)
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