(ブルームバーグ):トランプ米政権は27日、ニューヨーク市マンハッタンのペンシルベニア駅(ペン駅)の大規模改修工事を2027年末までに開始すると発表した。
総工費は70億ドル(約1兆300億円)で、現在の駅舎を取り壊し、延べ床面積25万平方フィート(約2万3200平方メートル)の単層施設に建て替えるほか、利便施設や小売店舗、多様な所得層向け住宅も整備される。
ボザール様式の壮麗な駅舎として名高い初代ペン駅は1960年代に解体され、跡地にはマディソン・スクエア・ガーデンなどが建設された。地下のプラットホームは今も全米旅客鉄道公社 (アムトラック)やニュージャージー・トランジット、ロングアイランド鉄道が使用している。ただ、全米で有数の利用者数でありながら暗く手狭なことから、利用者からは不満の声が上がっている。
ダフィー米運輸長官は声明で「劣化が進むインフラ、陰鬱(いんうつ)で汚れた建築、迷路のような通路、家族連れがくつろげる空間もない。こうした現在のペン駅の状態は容認できない」と述べた。
ペン駅はマンハッタンの主要玄関口であり、アムトラックのデータによると1日当たり1000本余りの列車が発着。1日の利用者は20万人を超える。

今回の発表に先立ち、トランプ政権はペン駅の所有者であるアムトラックを改修プロジェクトの運営主体とし、ニューヨーク州都市交通局(MTA)を事実上排除していた。連邦政府はMTAについて、「大規模インフラを期限内かつ予算内に完成させる能力がないことが明らかになった」と説明した。
アムトラックは連邦補助金約4300万ドルを受け取る予定。運輸長官の声明によると、プロジェクト責任者は元ニューヨーク市交通局長で「トレイン・ダディー(鉄道パパ)」の異名を持つアンディ・バイフォード氏で、来年5月末までに事業者を選定する予定。
トランプ政権は首都ワシントンとボストンを結ぶ鉄道路線である北東回廊の主要駅を直接管理下に置く取り組みを進めている。この日、ダフィー長官は首都ワシントンのユニオン駅についても連邦政府が再び管理下に置く方針を示した。
原題:NY Penn Station’s Long-Awaited Revamp to Start Work in 2027 (1)(抜粋)
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