(ブルームバーグ):トランプ米政権は米疾病対策センター(CDC)のモナレズ所長の解任に動いた。複数の上級幹部も辞任した。ワクチン政策を巡りケネディ厚生長官との対立が27日に表面化した。
米厚生省はこの日、数週間前に就任したばかりのモナレズ氏について「もはやCDC長官ではない」とX(旧ツイッター)に投稿した。
一方で、モナレズ氏の代理人弁護士は電子メールによる声明で、同氏が「辞任しておらず、解任通知も受けていない」と説明。「非科学的かつ無謀な指示に安易に従うことを拒み、献身的な保健専門家の解雇も拒否した」ために「標的にされた」と述べた。
事情に詳しい関係者が匿名を条件に話したところによれば、厚生省による事実上のモナレズ氏更迭発表は、25日にケネディ氏との間で起きた対立を受けたもの。モナレズ氏はこの日、ケネディ氏のワクチン方針に反論したという。
ブルームバーグが確認したメールによれば、予防接種・呼吸器疾患センターのダスカラキス所長を含む少なくとも3人のCDC上級幹部が27日、辞意を表明した。
ダスカラキス氏は「公衆衛生が対立の道具にされ続ける中、この職務を継続することはできなくなった」と記した。
CDCは数週間前に銃撃事件の標的となり、警察官が死亡した事件が起きていた。27日の相次ぐ辞意表明はケネディ長官と多数のベテランCDC科学者との間に広がる不信感の深まりを浮き彫りにしている。現・元厚生省職員らは公開書簡で、ケネディ氏がワクチンに関する誤情報を広め、それが銃撃事件の背景にあると批判した。
モナレズ氏解任の試みは、今年の大規模なレイオフを経てCDCに残った職員の間にさらなる不安をもたらし、同機関の科学的信頼性を巡る懸念を強めている。
厚生省とホワイトハウスはブルームバーグの取材に対し、厚生省のXへの投稿を参照するよう回答。ダスカラキス氏ら辞意表明した上級幹部のコメントは得られていない。
モナレズ氏解任の動きについては米紙ワシントン・ポストが最初に報じた。
原題:HHS Moves to Oust CDC Director After Vaccine Confrontation(抜粋)
--取材協力:Lauren Dezenski、Rachel Cohrs Zhang、John Tozzi.
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