ディスカウント百貨店チェーンの米コールズは、一部の仕入れ先に支払い猶予を求めていると、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。事業好転計画を進めるにあたり、支払い戦略を見直していることが、猶予を求めた理由だという。

運転資金の変動を管理し手元資金を確保したい小売業者は、支払期限の延長を仕入れ先に求めることがめずらしくない。コールズを取り巻く小売業界は現在、厳しい局面に立たされており、弱い個人消費と、トランプ関税によるサプライチェーン混乱への対応で苦戦している。

「コールズは可能な限り効率的で効果的な営業ができるよう、定期的に業務を見直している」と、同社広報担当者は電子メールで声明を発表した。

一部部門の刷新や、他の小売業者との提携といった顧客を呼び込む取り組みにもかかわらず、コールズは売上高に勢いを付けられないでいる。前年同期比ベースでみた四半期の売上高は、3年余りも減少が続いている。高級宝飾品や小柄サイズ、婦人服に力を入れ、化粧品小売りチェーンのセフォラとタイアップなどに取り組んでいる。

負債は20億ドル(約2950億円)を超え、このうち3億6000万ドルのジャンク債発行はその収入を今年期限を迎える支払いに充てる予定だ。トレースの価格データによれば、この債券(発行利回り10%、2030年償還)は26日の時点で、額面1ドルにつき106セントで取引された。5月15日の発行時価格は99セントだった。

2031年償還の無担保優先債(発行額5億ドル)は、額面1ドルにつき77セントに上昇。4月21日時点では58.25セントだった。

コールズは5月1日にアシュリー・ブキャナン最高経営責任者(CEO)を解任。同氏はかつて恋愛関係にあった人物のビジネスに、数百万ドル規模の事業を誘導していたという。現在はマイケル・ベンダー暫定CEOが同社を率いる。

コールズは27日、株式市場の取引開始前に四半期決算を発表する。

原題:Kohl’s Seeks More Time to Pay Vendors Amid Turnaround Effort(抜粋)

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