30年国債利回りが過去最高を更新した。自民党総裁選の前倒しの可能性が意識され、財政悪化懸念から超長期債への売り圧力が強い。

22日の債券市場で新発30年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp)高い3.21%と、7月15日に記録した1999年の30年債発行開始以来の最高水準3.2%を上回った。

金利上昇の背景にあるのが国内政治の不透明感だ。参議院選挙での与党の過半数割れを受け、財政規律を重視する石破茂首相が退陣に追い込まれた場合、次の政権は財政拡張に傾くとの見方が多く、国債発行の増額が不安視される。

日本銀行の利上げ観測も金利上昇を促す。ベッセント米財務長官の「日銀は後手に回っており、利上げするだろう」という発言以降、日銀の利上げ観測が高まり金利先高観が強まっている。金利スワップ市場では10月までが5割超、年内は7割前後の確率で利上げ織り込んでいる。

超長期金利は世界的に政府支出の拡大やトランプ関税によるインフレリスク警戒から上昇基調にある。30年債の利回りは米国で7月に再び5%台に乗せ、ドイツでは今月に2011年以来の高水準を付けた。日本では政局による財政悪化懸念が強く、米独の利回りが足元でやや低下する中で上昇が目立つ。

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