8月第4週(25-29日)の債券市場は長期金利に引き続き上昇圧力がかかる見込み。自民党総裁選の前倒しの可能性による財政悪化懸念や日本銀行の年内利上げ観測を背景に市場心理が悪化しており、投資家の慎重姿勢が続きそうだ。

市場参加者の見方

◎パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長

  • ジャクソンホール会合では経済指標の強さから米利下げを示唆する発言は出にくいとの見方が広がっており、米金利はやや上昇している
  • 流動性供給入札の発行額は縮小傾向にあるが、30年と40年ゾーンはもともと買いが入りにくい年限であり、どの程度の買い需要があるかを確認する必要がある
  • 株価上昇により月末に向けて年金基金によるリバランス(資産配分の見直し)の買いが出てくるとみられ、規模感がどの程度になるかが注目
  • 東京都区部消費者物価指数(CPI)は全国CPIの先行指標として、結果が強く出れば債券に売り圧力がかかる
  • 新発10年債利回り予想レンジは1.58-1.65%

◎三菱UFJアセットマネジメントの小口正之エグゼクティブ・ファンドマネジャー

  • 8月の東京CPIに注目。日銀はこれまで基調的な物価2%に達していないとの見方を示しているが、最近は物価動向をより意識している可能性がある
  • 7月の日銀金融政策決定会合後の植田総裁会見とその後公表された主な意見にギャップがあったため、中川審議委員がどのような見解を示すかが注目
  • 債券相場の地合いは良くないが、月末が近づきインデックス投資の長期化で債券買いが入りやすい
  • 株高によるリバランス買いも相場を支える要因となり、金利は上昇基調ながら緩やかな動きにとどまるだろう
  • 新発10年債利回り予想レンジは1.58-1.66%

国債入札

日銀買い入れ

主な材料

  • 28日:日銀の中川順子審議委員が山口県金融経済懇談会で講演と記者会見
  • 29日:8月の東京都区部CPI

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