(ブルームバーグ):来週の円相場は下落基調が見込まれる。ジャクソンホール会合(米カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム)でのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演後、米国の9月利下げに対する過度な織り込みが剝落するとの見方からドルが買い戻されそうだ。
◎三菱UFJ信託銀行資金為替部マーケット営業課の酒井基成課長
- 週初はジャクソンホール会合に対する初期反応としてドルが買い戻され、その後はやや伸び悩む展開を想定
- パウエル議長は9月利下げには明確に言及しないとみている。ただ、利下げを完全に否定することもないだろう
- 国内では自民党が総裁選前倒しの是非に関する党所属国会議員と都道府県連の意思確認の作業を始めるが、石破茂首相の進退を決めるのは難しいとみられ、政治不透明感から円は売られやすい展開か
- 予想レンジは1ドル=145円-150円50銭
◎あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジスト
- ドル・円はやや上値の重い展開となりそうだ
- パウエル議長の講演では利下げの可能性はあるとしつつ、明確な示唆はしないとみている。利下げを示唆する発言があればサプライズで、金利低下・ドル売りになる
- 東京都区部消費者物価指数(CPI)は全国CPIと同様に高止まりすると予想。日本銀行が利上げしやすい環境が続くと見込まれ、円の支えになりそうだ
- 9月の日銀金融政策決定会合に向けて中川順子審議委員の発言が注目される
- 予想レンジは1ドル=145-150円
来週の主な予定
- 26日:日銀、基調的なインフレ率を捕捉するための指標
- 28日:日銀の中川審議委員が山口県金融経済懇談会で講演し、その後記者会見する
- 28日:4-6月期の米国内総生産(GDP)改定値
- 29日:8月の東京都区部CPI
- 29日:8月の米ミシガン大学消費者マインド指数
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