(ブルームバーグ):人工知能(AI)ブームを支える重要なインフラ企業、米クルーソー・エナジー・システムズは、評価額約100億ドル(約1兆4800億円)での新たな資金調達を計画している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。AIのシステムを支えるために必要な巨額コストを浮き彫りにする取引となる。
関係者の1人によると、クルーソーは株式と債務を組み合わせて約10億ドルを調達する見通しだという。非公開情報を理由に匿名で語った。
投資家はクルーソーを含め、AIインフラ開発を計画する企業に注目してきた。直近では、AI向けクラウドサービスのコアウィーブが今年の上場後に時価総額が440億ドルを超えた。オープンAIのサラ・フライヤー最高財務責任者(CFO)は最近、企業向けデータセンター利用支援サービスが将来の新たな収益源となる可能性に言及した。
2018年創業のクルーソーは大規模なAIデータプロジェクトに特化しており、「スターゲート計画」の一環でテキサス州アビリーンに建設中のオープンAIとオラクルの巨大データセンターの設計を担っている。クルーソーのチェース・ロックミラー最高経営責任者(CEO)は5月のブルームバーグ・ビジネスウィークのインタビューで、このプロジェクトの建設費用は約120億ドルに上ると語った。
関係者によると、今回の資金調達計画はまだ初期段階にあり、調達額や評価額は変更される可能性がある。この計画については、テクノロジー系メディアのジ・インフォメーションが先に報じていた。クルーソーはコメントを控えた。
資金調達が完了すれば、クルーソーの評価額は3倍強に膨らむ可能性がある。昨年12月には、ファウンダーズ・ファンド主導で6億ドルを調達し、評価額は28億ドルとされた。クルーソーはこれまでにフィデリティ・インベストメンツやアラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国の政府系ファンドであるムバダラ・インベストメント、エヌビディア、リビット・キャピタルなどから計25億ドルを調達している。
原題:AI Data Center Startup Crusoe in Talks for $10 Billion Valuation(抜粋)
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