沖縄県の老舗ビールメーカー、オリオンビール(沖縄県豊見城市)が9月25日に東京証券取引所に上場する。時価総額は約314億円になる見込みだ。

同社が21日付で沖縄総合事務局に提出した有価証券届出書によると、想定価格は770円。株主である米投資会社カーライル・グループと野村ホールディングス傘下の投資会社が持ち分を一部売却する。主幹事は野村HD傘下の野村証券、みずほ証券、SMBC日興証券。欧州やアジアを中心に海外投資家にも販売され、約167億円を調達する。

ブルームバーグは先週、オリオンビールが9月にも沖縄県の製造業として初めて東証に上場すると報じていた。

届出書によると、株主優待も行う。1000株以上を1年以上保有する株主は、同社の酒類製品の詰め合わせやオリオンTシャツを特典として受け取れる。

オリオンビールは飲料事業のほか、観光やホテル事業も展開している。カーライルと野村HDが2019年に570億円で買収し、現在はカーライルと野村キャピタル・パートナーズがそれぞれ約40%、アサヒグループホールディングスと近鉄グループホールディングスが約10%ずつを保有している。

ブルームバーグのデータによると、今年の国内IPO(新規株式公開)市場では8月15日までに総額約5890億円の資金調達が行われ、前年同期間の約2230億円を上回って推移している。JX金属の大型上場で膨らんだ格好だが、オリオンビールの上場が順調に終われば後続企業のIPOを後押ししそうだ。足元ではSBI新生銀行などが上場に向けて準備を進めている。

(IPO規模や株主優待について追加し更新します。更新前の記事は有価証券届出書の提出先を訂正済みです)

--取材協力:横山桃花.

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