18日の欧州債市場では、英30年インフレ連動債の利回りが上昇、一時2.56%と1998年以来の高水準をつけた。これは、トラス元首相の経済計画で英国債市場が混乱した2022年9月のピークを上回る水準。通常の英国債利回りも上昇した。

この日の利回り上昇の明確な要因は特に見当たらないが、秋の財政報告を控え、すでに財源確保に頭を悩ませているリーブス財務相にとっては新たな重圧となる。

短期金融市場ではイングランド銀行(英中央銀行)が今年いっぱいは政策金利を4%に据え置くとの見方が強まっている。インフレ加速の兆しや、英経済の底堅さが利下げの必要性を後退させているためだ。

ドイツ債は反発。10年債は2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下して2.76%。一時2.74%まで低下した。

10年物イタリア債とフランス債のスプレッドは縮小、一時10bp未満となった。投資家のユーロ圏国債に対する見方の変化を映している。

3年弱前にはイタリア10年債利回りが同年限のフランス債利回りをほぼ200bp上回っていたが、現在の差は2005年以来の小ささとなっている。

欧州株はほぼ変わらず。投資家はトランプ米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の会談を控え、様子見の展開となった。ストックス欧州600指数はほぼ変わらず。業種別ではヘルスケア、通信関連が上昇。建設、鉱業関連銘柄は売られた。

8月18日の欧州マーケット概観(表はロンドン午後6時現在)

原題:European Stocks Subdued With Geopolitics in Focus; Novo Jumps

UK 30-Year Inflation-Linked Yields Hit Highest Since 1998 (1)

Italy’s Key Yield Nears France as Traders Rethink European Risk

Bunds Pare Earlier Gains, UK Linkers Slump: End-of-Day Curves

(抜粋)

--取材協力:Michael Msika.

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