(ブルームバーグ):カタールのムハンマド首相は18日、エジプトを訪問し、イスラエルとイスラム組織ハマスの停戦について協議した。壊滅的な戦争が2年近く続く中、和平交渉が再び動き出した。
カタール、エジプト両政府の発表によると、ムハンマド氏は、エジプトのシシ大統領と会談し、停戦の重要性とガザの200万人の住民への支援物資供給改善の必要性を中心に協議した。
イランの支援を受けるハマスの匿名の関係者によると、ハマスは新たな停戦案に前向きな反応を示した。この関係者は、カタールとエジプトからの提案の詳細は明らかにせず、イスラエルが好意的に応じるかどうかは不透明だとした。これまでの協議は何度も決裂しており、どちらか一方だけが条件に合意したと主張することも多かった。
エジプトのアブデラティ外相はアルカヘラ・テレビに対し、イスラエルが政治的意思と誠意を持てば、「極めて近く」停戦合意に達する可能性があると語った。
ハマスの保健省によると、これまでに6万1000人以上のパレスチナ人が戦闘で死亡した。ハマスは、イスラエル軍の完全撤退を要求している。国連は、ガザの50万人が飢餓の瀬戸際にあると警告している。一方イスラエルは、ハマスが武装解除し、2023年10月の攻撃で連れ去った人質を返還する必要があると主張している。
最新の交渉は7月、米国とイスラエルがカタールから交渉団を引き揚げ、終了した。トランプ米政権はその際、ハマスが誠意を欠いていると述べた。ハマスは米国や多くの政府によりテロ組織に指定されている。
米国のハッカビー駐イスラエル大使は18日、イスラエルのアーミー・ラジオに対し、交渉が「再び始まったようだ」と語り、「イスラエルが強硬な行動を取る決意を固めていると、ハマスが聞いたからかもしれない」と述べた。また米国の立場を繰り返し、イスラエルと同様に、ハマスには「ガザでの未来はなく」、武装した統治組織としては解体されるべきだとした。
トランプ米大統領は18日、自身のソーシャルメディア、トゥルース・ソーシャルに「残された人質の返還が実現するのは、ハマスと対峙し、壊滅した時だけだ」と投稿した。停戦協議には言及しなかった。
原題:Qatar and Egypt Make New Bid for New Israel-Hamas Ceasefire (2)(抜粋)
(見出しを訂正し更新します)
--取材協力:Kateryna Kadabashy、Dan Williams、Sherif Tarek.
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