米住宅建設業者の業況感は8月に低下し、2022年以来の低水準だった6月に並んだ。住宅ローン金利が高く、消費者の購買意欲が低いため、建設業者は販売インセンティブに依存せざるを得ない状況にある。

今回の統計は建設業者が、すでに積極的に導入しているインセンティブをさらに強化せざるを得なくなっていることを示している。インセンティブを導入している建設業者の割合は66%と、コロナ禍後の最高となり、37%の企業が値下げを実施したと報告している。住宅ローン金利はここ数週間でわずかに低下し、8 月第1週には6.67%と、4カ月ぶりの低水準を記録したが、なお2021年末の2倍の高水準にとどまっている。

NAHBのチーフエコノミスト、ロバート・ディーツ氏は発表文で「住宅市場の減速や最近発表されたその他の経済指標を踏まえると、連邦公開市場委員会(FOMC)はフェデラルファンド(FF)金利引き下げを再開するべきだ。そうすれば住宅建設の資金調達コストが低下し、間接的に住宅ローン金利の低下にもつながるだろう」と指摘した。

販売の現況指数は1ポイント低下して35となり、6カ月先の販売見通し指数は前月から変わらず。購買見込み客足指数は2ポイント上昇の22と、3カ月ぶりの高水準だった。

住宅ローン金利がさらに低下しなければ、販売は伸び悩む可能性がある。ブルームバーグ・インテリジェンスのドルー・リーディング氏は13日のリポートで、南部および南西部、西部の多くの市場では、住宅在庫がコロナ禍前を上回っており、住宅建設業者にとっては中古住宅市場との競争も激化していると指摘した。

NAHB会長でノースカロライナ州の住宅建設業者であるバディ・ヒューズ氏は、土地開発や建設を遅らせる政府による障害など、「供給側の逆風」にも建設業者は悩まされていると発表資料の中で説明した。

住宅建設業者の業況感低下は北東部に集中し、2023年1月以来の低水準となった。南部と中西部の業況感は変わらず、西部ではわずかに上昇した。

原題:US Homebuilder Sentiment Retreats as Buyers Lack Motivation(抜粋)

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