15日の米株式市場で、医療保険サービス会社ユナイテッドヘルス・グループが急伸。複数のファンドによる同社株購入が明らかになったことが背景にある。ユナイテッドヘルスは事業慣行を巡り連邦当局の捜査を受けているほか、業績予想を下方修正するなど、厳しい状況に見舞われている。

届け出によれば、資産家ウォーレン・バフェット氏の投資会社バークシャー・ハサウェイは4-6月(第2四半期)にユナイテッドヘルス株を500万株購入。資産家デービッド・テッパー氏が率いるヘッジファンド運営会社アパルーサ・マネジメントは230万株を買い増した。

こうした投資は、今年に入り株価が46%下落していたユナイテッドヘルスにとって明るい材料となった。同社株は15日、一時14.3%上昇した。

ガベリ・ファンズのポートフォリオマネジャー、ジェフ・ジョナス氏は「きょうの株価の動きの大きさにはやや驚いたが、それだけユナイテッドヘルス株と医療保険セクター全体が避けられていたということを示している」と分析。ユナイテッドヘルスの本格的な回復にはなお多くの時間と取り組みが必要だが、「それを待つ間、バリュエーションと配当は魅力的だと思われる」と述べた。

ユナイテッドヘルスでは混乱した状況が続いている。昨年12月には、投資家向け会議のためにニューヨークを訪れていた幹部が射殺された。今年4月には業績見通しを引き下げたほか、その数週間後には最高経営責任者(CEO)を突然交代させた。

ハドソン・バリュー・パートナーズのクリストファー・デービス氏は、ユナイテッドヘルスの時価総額と比較すればバークシャーの投資規模は小さいものの、バフェット氏のような長期投資家にとっては理にかなっていると述べた。

「ここ最近の問題が起きる前、ユナイテッドヘルスは業界でも有数の利益成長率を上げていた」とデービス氏は指摘。「この株式購入は、バークシャーとバフェット氏が長期的な視点を持っていることを示す良い例だ。ユナイテッドヘルスが勢いを取り戻すには、数四半期以上かかるだろう」と述べた。

原題:Billionaire Family Offices Join Berkshire’s UnitedHealth Bet (1)(抜粋)

UnitedHealth Surges After Buffett, Tepper Bet on Turnaround (2)

(株価の動きや市場関係者のコメントを加え、更新します)

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