トランプ米大統領は12日、米銀大手ゴールドマン・サックス・グループが市場と消費者物価が受ける関税の影響を「読み違えた」と主張し、批判の矛先をデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)に向けた。

「ずっと前にも市場への影響と関税自体の予測を誤っていた。その他の多くのことでもそうだが、ゴールドマンは間違っている」と自身のソーシャルメディアに投稿した。

トランプ氏がなぜゴールドマンに不満を抱いているのかは、具体的に触れていない。ただ同社のエコノミストらは10日のリポートで、トランプ関税が及ぼす消費者物価への影響について、顕在化は始まったばかりだと指摘。6月まで米消費者は関税コストの推定22%を負担してきたが、過去と同様のパターンをたどるならば、今後その割合は67%にまで上昇する見通しだと分析した。

トランプ氏は「デービッド(ソロモン氏)は自ら新しいエコノミストを探すべきだ。あるいはDJ活動に専念して、大手金融機関の経営には関わらない方が良い」とも述べた。

ソロモン氏は長年、銀行業の傍らDJ活動にいそしむことでも知られていたが、2023年11月、ゴールドマンでの業務に差し障るとして、公衆の場でのDJパフォーマンスは控えると宣言。「私が集中するのはゴールドマンだ」と当時、述べていた。

動画:7月の米消費者物価指数(CPI)を報じるブルームバーグテレビジョン

トランプ氏が投稿する前に発表された7月の米消費者物価指数(CPI)では、コア価格指数が上振れした一方、財の価格は緩やかな上昇にとどまった。関税がインフレを押し上げるとの懸念が和らぎ、9月の利下げ観測が広がった。

ゴールドマンにコメントを求めたが、現時点で返信は得られていない。

原題:Trump Mocks Goldman CEO, Says Bank Made Bad Call on Tariffs (3)(抜粋)

(5段落目にソロモンCEOについて詳細を加えて更新します)

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