リスクが高いとされる「その他ティア1(AT1)債」の需要が急拡大しており、投資家がAT1債保有の見返りとして求めるスプレッドは、同債が導入されて以降で最も狭い水準となっている。

AT1債の主な発行体である欧州金融機関の同債の流通市場価格を追跡するブルームバーグ指数によれば、平均リスクプレミアムは11日の取引終了時点で255.2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)だった。

投資家は利回りを求めて、世界金融危機後の規制対応の一環として導入されたAT1債に殺到している。ブルームバーグがまとめたデータによると、為替リスクをヘッジした米ドル建ての同指数は2年連続で2桁のリターンを記録する見通しだ。

今年発行された新たなAT1債はスプレッドが極めてタイトなため、プロ投資家の間では警戒感が高まっている。スプレッドの縮小は、AT1債のコールオプションが行使されない可能性を高め、パフォーマンスが予測しにくくなる。最近は一部の長期投資家が防御的な姿勢を強めている。

原題:AT1 Bonds Are So Popular That Spreads Are Now the Tightest Ever

(抜粋)

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