(ブルームバーグ):米レベル・トランジットは本拠地のニューヨークで熾烈(しれつ)な競争を繰り広げてきたライドシェア事業から撤退し、電気自動車(EV)向け充電事業に軸足を移す計画だ。競合してきた米ウーバー・テクノロジーズが、今後はパートナーとなる。
レベルは11日、顧客とドライバーにこの方針転換を通知。共同創業者のフランク・レイグ最高経営責任者(CEO)によれば、自社が保有する車両のナンバープレート165枚の売却先を探しており、市場での売却価格は1枚当たり2万-2万5000ドル(約296万-370万円)を見込んでいるという。
同社はまた、保有・リースしているテスラ車や起亜自動車の車両について、売却か返却することを検討している。
レイグ氏はブルームバーグ・ニュースに対し、「ライドシェア市場は極めて競争が激しく、資産集約型で利益率も低い」とした上で、「EVへの移行を前進させる最善の方法は、ライドシェア事業を打ち切り、主要都市の電動化に必要な高速充電インフラの構築に注力することだという難しい判断を下した」と説明した。
レベルはライドシェア事業を4年前にスタート。ニューヨーク市内で初めて全車両をEVとしたライドシェア事業者だった。当初50台だった車両数は一時500台にまで拡大したものの、依然としてウーバーやリフトを大きく下回る水準にとどまる。
レベルが自社車両向けに整備してきた公共の高速充電インフラは現在、主にウーバーやリフトのドライバーによって利用されている。両社のドライバーもまた、それぞれの電動化推進の一環としてEVの導入を進めている。
レベルは現在、ニューヨーク市内5カ所とサンフランシスコの1カ所に計100基の充電器を設置している。来年末までにロサンゼルス、サンフランシスコ、ニューヨークの3都市で計400基強に、2030年までには最大2000基に増やす計画だ。
原題:Revel to End New York Rideshare Business to Focus on EV Charging(抜粋)
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