(ブルームバーグ):8月第2週(12-15日)の債券市場では長期金利が上昇傾向をたどる見込み。日本銀行の年内追加利上げや石破茂首相の退陣観測で売られやすい。
市場参加者の見方
◎三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジスト
- 長期金利は三つの国内要因でやや上振れしそうだ。まずは水準感。5日の10年債入札後に大口の投資家の買いがあったことが意識されたが、1.4%台半ばからは買い進む動きはなく、1.4%台半ばは多くの市場参加者が水準が低いとみている
- 次に石破首相の退陣観測。市場では8月下旬以降の退陣を織り込む形で超長期債を中心に金利に上昇圧力がかかりやすい
- 三つ目は日銀利上げ観測の高まり。7月の金融政策決定会合の主な意見は予想以上にタカ派的で、中期債中心に売られやすい
- 新発10年国債利回りの予想レンジは1.465-1.55%
◎みずほ証券の大森翔央輝チーフ・デスク・ストラテジスト
- 長期金利はやや水準を切り上げそうで、7月下旬の1.6%付近が目安
- 米国では消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)にサプライズがなければ10年国債の利回りは4.2-4.3%に収まりやすい。日本の長期金利も歩調を合わせて1.48-1.55%程度で材料待ちになるだろう
- 5年国債入札は利回り曲線の姿を左右する。結果が弱ければ中期債安となり10年債へ売りが波及しやすい一方、良好な結果ならフラット(平たん)化に傾く可能性が高い
- 新発10年国債利回りの予想レンジは1.45-1.6%
国債入札
日銀買い入れ
主な材料
- 12日:7月の米CPI
- 14日:7月の米PPI
- 15日:4-6月期の実質国内総生産(GDP)
- 15日:7月の米小売売上高
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