短期志向の投資家は9月までに米国株の投資比率が限度に達する見通しで、相場下落に脆弱(ぜいじゃく)となって株売りに転じる可能性がある。シタデル・セキュリティーズの株式および株式デリバティブ戦略責任者、スコット・ルブナー氏が5日、こうした見方を示した。

ボラティリティー(変動性)やモメンタム(勢い)といった要素に基づき投資を行うシステマティック・ファンドは、S&P500種株価指数などが4月の安値から回復基調となる中、米国株への投資を積み増してきた。しかし、8月末までに株式を買い進める余力を使い果たす見通しだと、ルブナー氏が顧客向けリポートで指摘した。

同社はトレンド追従の商品投資顧問業者(CTA)がS&P500種指数の先物を売り始める「転換点」となりそうな水準を、中期的な視点で探ってきた。そうした水準は今のところ指数の現物の水準を下回っているが、ここ1週間のボラティリティー上昇に伴い、その差は縮まりつつある。

CTAは株価上昇時に投資比率を高め、一定の水準を下回ると売りに転じる傾向がある。シタデル・セキュリティーズのグローバルマクロ戦略チームはCTAが売りに転じるS&P500種指数の水準を6166と想定。現水準は6300程度となっている。

別の運用戦略である「ボラティリティー・コントロール・ファンド」も、買いの勢いを失う可能性がある。同ファンドは、実現ボラティリティーが低下すると株式を買い、市場の変動が高まると売却に動く。

CBOEボラティリティー指数(VIX)は1日に4ポイント余り上昇し一時21.7と、日中ベースで6月23日以来の水準を付けた。シタデル・セキュリティーズによれば、1990年以降ボラティリティーは9月に高まりやすい傾向がある。

原題:Citadel Securities’ Rubner Sees Systematic Funds Turning Bearish(抜粋)

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