(ブルームバーグ):暗号資産(仮想通貨)投資会社ギャラクシー・デジタルの創業者で最高経営責任者(CEO)のマイケル・ノボグラーツ氏は、暗号資産をバランスシートに計上する企業を設立する動きはピークを迎えた可能性が高いと述べた。
保有資産を暗号資産に投資して運用する企業は「暗号資産トレジャリー企業」と呼ばれる。こうした企業は米国での規制環境好転を背景に急増しており、投資対象となる暗号資産もビットコインからイーサやソラナなどに広がっている。
こうした中、ノボグラーツ氏は5日、4-6月(第2四半期)決算発表の電話会見で、暗号資産トレジャリー企業の設立は「すでにピークを越えただろう」とし、既存企業の中でどれが巨大企業へと成長するかが今後の焦点だとの見方を示した。
時価総額で2位のイーサを保有する暗号資産トレジャリー企業としては、トム・リー氏が率いるビットマイン・イマージョン・テクノロジーズとジョー・ルービン氏率いるシャープリンク・ゲーミングがすでに2強となっているが、ノボグラーツ氏は両社が今後もさらに拡大を続けると予想。一方、新たに参入する企業については苦しい状況になるかもしれないと警鐘を鳴らした。
ノボグラーツ氏によると、ギャラクシー・デジタルは現在、20社余りの暗号資産トレジャリー企業と提携しており、これらが保有する暗号資産の管理手数料を得ている。同社のプラットフォームには約20億ドル(約2950億円)相当の資産が追加され、「今後も繰り返し得られる収入だ」とノボグラーツ氏は述べた。
同社は、2025年4-6月の純利益として3070万ドルを計上。前年同期の1億7700万ドルの赤字から大幅に改善した。ただし、同四半期の希薄化後1株利益は8セントとなり、アナリスト予想平均を下回った。暗号資産市場での現物取引の減少が影響した。
ニューヨーク株式市場の5日終値は4%安だった。
ノボグラーツ氏は、暗号資産トレジャリー企業や上場投資信託(ETF)を、トークンの直接的な保有に慎重なヘッジファンドが暗号資産市場に参入する手段と見なしている。長期的には、伝統的な金融機関もブロックチェーンベースの市場構造に移行していくとの見方を示した。
原題:Galaxy’s Mike Novogratz Says Crypto Treasury Rush Has Peaked(抜粋)
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