米投資会社アポロ・グローバル・マネジメントのマーク・ローワン最高経営責任者(CEO)は5日、プライベート資産の取引活性化で業界が「一変」する可能性があると述べた。その上で、取引価格開示に反対するのは高額な手数料を明かしたくない事業者だとの考えを示した。

ローワン氏は決算発表後、「価格の透明性が確保され、日々の価格情報が入手できる業界は大きく成長してきた」とアナリストらとの会見で指摘。「これに反対するということは一般的には、手数料が適正水準を上回っており、それを明るみに出したくないということだ」と述べた。

マーク・ローワン氏

アポロはプライベートクレジット取引でゴールドマン・サックス・グループなど大手銀行と提携。投資適格級の債務を大規模なシンジケートで扱い、リアルタイムの価格を提示している。

価格が公に開示されることの少ない1兆7000億ドル(約250兆円)規模のプライベートクレジット市場で、こうした透明性の高さは異例だ。同市場のローンは一般的に貸し手のバランスシートにとどまる。

ローワン氏は「この市場の成長および規模とスケール、プライベート資産の需要拡大の創出は、組成を担うことで有利な立場にある事業者に恩恵がある」とし、「これは好機で、ゲームチェンジャーになり得るとみている」と語った。

アポロと提携する銀行はブローカーディーラーとしての役割を果たす。アポロが組成した債務を買い取り、自己勘定に計上したり、第三者への販売を仲介・価格設定したりする。

一方、市場の慣行を変えようとする動きには批判的な声もある。その一人が、ブルー・アウル・キャピタルのマーク・リプシュルツ共同CEOだ。リプシュルツ氏は今年、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで「われわれが手がけるプライベートクレジットはまさに非公開だ」と語っている。

原題:Marc Rowan Calls Out Competitors That Won’t Trade Private Assets(抜粋)

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