米宇宙開発スタートアップ、ファイアフライ・エアロスペースは、新規株式公開(IPO)の想定規模を最大6億9700万ドル(約1025億円)に引き上げた。

4日の米証券取引委員会(SEC)への提出文書によると、同社は今回のIPOで41-43ドルの仮条件レンジで1620万株を公募する予定。仮条件を従来の35-39ドルから引き上げた。

新たな仮条件レンジの上限に基づくファイアフライの評価額は60億ドル(約8830億円)で、ストックオプションやワラント(新株引受権)を含む完全希薄化後のベースでは約68億ドルとなる。ブルームバーグ・ニュースが確認した投資家向け説明資料によると、IPO価格は8月6日に決定する見込み。

提出文書によると、同社の2025年1-3月(第1四半期)は売上高が5590万ドル、純損益が6010万ドルの赤字だった。前年同期は売上高が830万ドル、純損益が5280万ドルの赤字。

ファイアフライは今年3月、同社初の無人月着陸船「ブルーゴースト」を月面に着陸させることに成功。5月には航空宇宙大手ノースロップ・グラマン主導の資金調達ラウンドで5000万ドルを調達したと発表した。ピッチブックのデータによると、同調達ラウンドでファイアフライの評価額は29億5000万ドルとされた。

同社はノースロップと共同で、宇宙ステーションへの物資補給や商業・国家安全保障分野の任務を担うロケットを開発中だ。

航空宇宙・防衛分野に特化したプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社AEインダストリアル・パートナーズがファイアフライの支配権を握っており、IPO後も議決権の過半数を保持する予定。

IPOの主幹事はゴールドマン・サックス・グループとJPモルガン・チェース、ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループ、ウェルズ・ファーゴが務める。ファイアフライは「FLY」のティッカーでナスダック・グローバル・マーケットに上場する予定。

原題:Space Technology Firm Firefly Raises IPO Target to $697 Million(抜粋)

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