米国の一部の個人投資家が今年、新たな投資テーマに注目している。投資資金のシフトに伴い、欧州株のリターンが米国株を上回るとの見方だ。足元で個人投資家の人気を集める「ミーム株」よりも持続的なトレンドになる可能性もある。

こうした投資テーマは、米雇用統計で雇用者数の伸び鈍化が示され、ドル安・米国株安が進んだ1日に再び注目を集めた。

トランプ米大統領が「米国第一主義」の政策を推し進める中、欧州連合(EU)加盟各国の軍事インフラ投資拡大に伴い、欧州の防衛関連株は大きく値上がりした。ドイツのラインメタルはドルベースで株価が3倍余りとなり、イタリアのレオナルドも2倍近くとなっている。

ニューヨークを拠点とするトレーディング・プラットフォーム、パブリック・ホールディングスのゼネラルマネジャー、サミュエル・ノフジンガー氏は、「海外銘柄を買った人の多くが、保有を継続している」と指摘した。

一方、ミーム株については関心が薄れやすく、「個人投資家は値上がりしている間は好むが、上昇が止まるとすぐに関心を失ってしまう」と説明した。

 

S&P500種株価指数は年初来、6.1%上昇。これに対してドルベースで、ドイツのDAX指数は31%、英FTSE100指数は17%それぞれ上昇している。

過去15年間、欧州株のリターンが米国株を上回るのが難しい状況が続いてきた。足元の欧州株のアウトパフォーマンスは、そうした状況からの転換となる。

トランプ政権がグローバル化の流れを巻き戻そうとしている中、多くの米個人投資家は国内株投資に安住する姿勢をあらため、外国企業の決算報告に目を通しながら、より国際的な分散を意識したポートフォリオ構築を進めている。

原題:Retail Traders Bet Big on Europe and See Meme Stock-Like Returns(抜粋)

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