(ブルームバーグ):デザインソフトの米フィグマは7月31日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場し、初日の取引を新規株式公開(IPO)価格の3.5倍で終えた。
ブルームバーグがまとめたデータによれば、10億ドル(約1500億円)以上を調達した米上場企業の取引初日としては、少なくとも過去30年で最大の上げとなった。
IPOで12億ドルを調達したフィグマは、115.50ドルでこの日の取引を終了。IPO価格は33ドルだった。従業員向けのストックオプションなどを含めた完全希薄化後の時価総額は650億ドルを超えた。
デザインの共同編集ソフトウエアを提供している同社は最近、人工知能(AI)テクノロジーを自社製品の多くに取り入れている。

フィグマは2012年にスタート。ディラン・フィールド最高経営責任者(CEO)がブラウン大学の友人と設立した。ソフトウエアメーカーの米アドビが買収を計画したが23年に規制当局との対立で断念。実現していれば、買収規模は200億ドルとなるはずだったが今回のIPOで時価総額はその3倍以上に膨れ上がった。
フィグマと一部の株主は1株当たり33ドルで3690万株の公募・売り出しを実施。仮条件は28日に1株当たり30-32ドルに引き上げられていた。それ以前は25-28ドルだった。
ブルームバーグ・ニュースは、40倍を超える応募超過となり、半数以上の申込者が株式を受け取れなかったと報じた。
今年の米IPOでは、ステーブルコイン「USDC」の発行元である米サークル・インターネット・グループも華々しいデビューを飾っている。6月に上場した同社の株価は168%高で初日の取引を終えた。

原題:Figma’s 250% IPO Pop Gives It Edge in Creative AI Software Fight(抜粋)
--取材協力:Caroline Hyde、Tom Maloney、Katie Roof、Natalia Kniazhevich、Eric J Weiner、Matt Turner.
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