トランプ米大統領は、来年の主要20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)の開催地を自身がフロリダ州に所有するゴルフリゾートにすることを検討している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。トランプ氏はオブザーバー参加者の数を減らして会議の規模を縮小することも計画しているという。

2026年のサミット議長国は米国であり、予備的な計画策定が進んでいる。正式な決定は下されていないものの、トランプ氏は自身のマイアミ近郊のゴルフリゾート「トランプ・ナショナル・ドラル」を軸に検討を進めているという。

ホワイトハウスにコメントを求めたが、返答はなかった。米国は参加者をG20に限定し、他の首脳や利益団体が首脳会議や周辺イベントにオブザーバー参加するのを認めない方針だ。

トランプ氏のリゾートでサミットが開催されれば、公私の線引きを問われる新たな事例となる。トランプ氏はこれまでもフロリダ州パームビーチの私邸「マール・ア・ラーゴ」やニュージャージー州のゴルフクラブで外国要人を迎えたり、記者会見や資金集めのイベントを開いたりしてきた。直近の英国訪問でもトランプ氏はスコットランドの自身のゴルフ場でフォンデアライエン欧州委員長およびスターマー英首相と会談していた。

トランプ氏は政権1期目にも20年の主要7カ国(G7)首脳会議をトランプ・ナショナル・ドラルで開催しようとしたが、政界や法曹界から公私混同との批判が相次ぎ、断念していた。

トランプ氏はまた、世界の首脳が集まる国際会議に距離を置いてきた。今年6月、イスラエルとイランの紛争対応のため、カナダで開催されたG7首脳会議を途中退席。今年後半に南アフリカで開かれるG20首脳会議も欠席する可能性があるとしている。

原題:Trump Eyes Doral Club for G-20 Summit, Revisiting Scrapped Idea(抜粋)

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