英銀HSBCホールディングスは行員に出社頻度の引き上げを求めている一方で、現在のロンドン本社ビルのスペースのほぼ4分の1を既に閉鎖していることが分かった。

同行は来年に、現在のカナリー・ワーフにあるビルから、約半分の規模になる新たな本社施設へ移転する予定だ。この計画に伴う対応の一環だと、ジョルジュ・エレデリー最高経営責任者(CEO)が記者団との電話会議で説明した。同氏によれば、ロンドンの他のオフィスを活用することで、全社員を収容する体制を整える計画だという。

「複数の拠点を持つことで、必要なオフィススペースを確保できる」とエレデリー氏は述べ、「移転が進むにつれ、ロンドンにおける当社の規模に見合った適切なオフィススペースを持つことになる」と語った。

カナリー・ワーフから金融街シティーにある新本社ビルに移転することで、最大7700人分のデスク不足が生じる可能性があることを幹部が数カ月前に知らされたと、ブルームバーグ・ニュースが5月に報じていた。

6月には、HSBCが現在の本社の近くにある新たなビルで複数のフロアを賃借する方向で交渉を進めているとも報じた。

エレデリー氏は、新型コロナウイルスのパンデミック中に導入されたハイブリッド勤務体制を縮小し、オフィス勤務を増やすことを目指している。同行は今週、マネジングディレクターに対し週に最低4日は出社することを要請した。

出社要件の強化により不動産関連コストが増加することが見込まれるが、エレデリー氏によると、ロンドンのオフィス関連の追加コストは既に同行の業績見通しに織り込まれているという。

原題:HSBC Has ‘Mothballed’ Quarter of Floors in Canary Wharf Tower(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.