(ブルームバーグ):米国で2番目に大きい公的年金基金、カリフォルニア州教職員退職年金基金(カルスターズ)は2024-25会計年度(24年7月-25年6月)で、目標を上回るプラス8.5%の運用益を残した。ただ、全米最大の公的年金基金には2年連続で及ばなかった。
スコット・チャン最高投資責任者(CIO)は今年に入り、トランプ米政権の関税政策に起因する貿易戦争で、市場に不確実性がまん延する状況を踏まえ、「世界を変えるような未曾有のリスク」にカルスターズが対応していると警告していた。
30日の発表資料によれば、カルスターズ(運用資産約3680億ドル=54兆8000億円)のリターンは上場株式が16.3%で最も高く、プライベートエクイティー(PE、未公開株)戦略の9.7%、年金基金自身も関与するコラボラティブ戦略の8.2%が続いた。
下振れリスクに備えるリスクミティゲーション(軽減)戦略と不動産は、それぞれマイナス7.2%、マイナス3%と振るわなかった。
カルスターズは、年間平均リターンの目標を7%に設定している。将来の支払いを約束した年金債務を保有資産で賄う「完全積立」は2046年までに達成を目指し、進捗(しんちょく)は予定より早い。24年6月30日時点の達成率は76.7%だった。
一方、全米最大のカリフォルニア州公務員退職年金基金(カルパース)は、直近の会計年度でプラス11.6%のリターンを記録し、運用資産は5562億ドルに増えた。
原題:Second-Biggest US Pension Calstrs Gains 8.5%, Driven by Stocks(抜粋)
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