人工知能(AI)用途向けに超低消費電力の半導体を手がける米アンビックマイクロの株価は取引初日に61%上昇した。新規株式公開(IPO)で同社は9600万ドル(約143億円)を調達している。

30日の終値は38.53ドルでIPO価格の24ドルを上回った。大きな変動のため売買は2度停止された。仮条件レンジは1株当たり22-25ドルだった。同社の投資家にはソフトバンクグループ傘下の英半導体設計会社アーム・ホールディングスも含まれている。

提出書類に記載された発行済み株式数に基づくと時価総額は6億8000万ドルとなる。ストックオプションなどを含めた完全希薄化後では約7億4100万ドル。

資料によると、同社の半導体は従来品と比べて最大5倍の省エネルギー性能を実現できるという。バッテリーの関係でAI機能の搭載が難しくなっているスマートウオッチなどウエアラブル端末の進化につながる技術だとしている。

アンビックマイクロのスコット・ハンソン最高技術責任者(CTO)は、「第1フェーズでは顧客が使うデバイスのバッテリー寿命を延ばすことに取り組んでいた。しかし重要なのは同じバッテリーの寿命で、かつては実現不可能だったAI機能搭載をできるようにすることだ」とブルームバーグのインタビューで語っている。

将来的には拡張現実(AR)グラスなどに大規模言語モデル(LLM)を組み込む技術を提供する可能性があるとも説明した。

提出資料によると、2025年3月までの3カ月間で純損失は830万ドル。売上高は1570万ドルとなっている。前年同期比の純損失は980万ドル、売上高は1520万ドルだった。

原題:Arm-Backed Ambiq Micro Shares Rise 61% After $96 Million IPO (2)(抜粋)

--取材協力:Michael Hytha.

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.