(ブルームバーグ):31日の債券相場は下落。米国市場で連邦公開市場委員会(FOMC)後に利下げ期待が後退し、長期金利が上昇した流れを引き継いだ。日本銀行の金融政策決定会合の結果発表や植田和男総裁の会見を控えることも、相場の重しとなっている。
三菱UFJアセットマネジメントの小口正之エグゼクティブ・ファンドマネジャーは、参院選が終わり、日米関税交渉が合意に至ったことで先行き不透明感は後退しており、日銀の政策自由度は大きく高まったと指摘する。物価見通しの上方修正や植田総裁の会見を受けて利上げ観測が高まると予想している。
小口氏は「9月の利上げは十分あり得る」とみており、植田総裁がどこまで近い将来の利上げを視野に入れた発言を行うか注目だとした。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、日銀会合で「次の利上げがどれくらい近いか、あるいは近くないのかを確認したい」と言う。具体的には、関税を巡り日米合意が文書化されていない状況をどう判断するのか、米中の関税停止期間延期の見通しにより不確実性低下といえるのかに注目したいと述べた。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は30日に行われたFOMC後の会見で「9月については何の決定もしていない」と述べ、利下げのシグナルを送ることを避けた。スワップ市場が織り込む9月の利下げ期待は5割程度に低下した。

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