米シティグループは、JPモルガン・チェースやアメリカン・エキスプレス(アメックス)が展開する高級クレジットカードに対抗し、「ストラータ・エリート」と呼ぶプレミアムカードを導入した。豪華な特典を提供するカード市場で競争が一段と激しさを増している。

年会費は595ドル(約8万7900円)に設定されており、「フル活用すれば最大1500ドル相当の価値が得られる」とシティは説明。ホテルやレンタカー、観光施設の予約をシティの旅行プラットフォーム経由で行った場合や、週末のピーク時間帯のレストラン利用で最も高いポイント還元が得られる。

カードには、アメリカン航空グループの利用者向け特典も盛り込まれている。同航空のラウンジ利用が年4回可能なパスが付与されるほか、シティの「サンキュー・ポイント」をアメリカン航空のマイルに移行できる。

シティはアメックスやJPモルガンに加え、高級カード市場への参入を進めるキャピタル・ワン・ファイナンシャルなどとの競争も念頭に置いている。同市場の顧客層は年会費の支払いをいとわず、支出額が多く、旅行や宿泊・外食などのサービスを重視することで知られている。

シティの米国ブランドカード・融資部門責任者パム・ハブナー氏はインタビューで「競争は常に激しいが、競争があるからこそ皆が向上する」と語った。

年会費の595ドルには、追加会員1人につき年75ドルが必要となるが、ハブナー氏が2016年にJPモルガン在籍時に立ち上げに関与したクレジットカード「サファイア・リザーブ」よりも安い。JPモルガンは先月、同カードの年会費を550ドルから795ドルに引き上げると発表した。

「ストラータ・エリート」カードにはシティの提供する特典に加え、マスターカードが新たに発表した「ワールド・レジェンド」という最上位カードとしての特典も付属する。これにより、イベントの先行販売チケットや空港での保安検査手続きの優遇など、「マスターカード・コレクション」の特典が利用可能となる。

ハブナー氏は「顧客が実際に使える特典を設計した」と説明し、特定企業のクーポンのような特典ではなく、支出の種類に応じて報いる構成になっていると付け加えた。

原題:Citi Charges $595 for ‘Strata Elite’ Card to Rival Amex (1)(抜粋)

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