24日の東京株式市場で、東証株価指数(TOPIX)が終値ベースの最高値を更新した。トランプ米大統領の関税政策を巡る不透明感や世界景気への懸念が和らぎ、ほぼ全面高の展開となった。

TOPIXは前日比1.7%高の2977.55で取引を終え、昨年7月に記録した2929.17を上回った。日米の通商合意に加え、欧州連合(EU)が米国と15%の関税率で合意に向けて前進しているとの報道で投資家心理が改善した。電気機器や銀行、機械などが上昇し、個別では日立製作所や三菱UFJフィナンシャル・グループが指数を押し上げた。

関税リスクや参院選を巡る不透明感を背景に、欧米株などと比べて日本株の出遅れ感が強かったことも相場の押し上げ要因になっている。TOPIXの年初来の騰落率は日米関税交渉が合意する前の22日時点で2%高と、7%高の米S&P500種株価指数やストックス欧州600指数、25%高の香港ハンセン指数に大きく劣後していた。

今後は政権の行方と国内外の景気動向が焦点になりそうだ。しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャーは、株式市場にとってのベストシナリオは「石破茂首相が退任し、政権は引き続き自公を軸としつつ、野党と連携して減税などの景気刺激策を実行するケースではないか」とみる。

りそなアセットマネジメントの下出衛チーフストラテジストは、日本株の好調が続くかどうかは「米国を中心としたグローバルの景気・マーケット次第だ」と話す。米国経済はまだ底堅いとしつつ、リスク要因として米国株の割高感や米中の貿易交渉、品目別の米関税などを挙げた。

三菱UFJアセットマネジメントの石金淳エグゼクティブファンドマネジャーは、実質賃金のマイナス傾向など日本経済の状況は良いとは言えず、来月にかけて日本株はいったん反落すると予想。その後は財政支出の拡大や相対的な割安感などを追い風に、「TOPIXは緩やかに上昇基調が続き、3000ポイント超えもあり得る」とみている。

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