(ブルームバーグ):ファッションや建築、美術、宝飾と多分野に影響を与えたアールデコが誕生してから100年。著名な独立系ジュエリーデザイナーの中には、今なおこの様式からインスピレーションを得ている人もいる。
幾何学模様、白と黒のコントラスト、シンプルな色、反復を生かした構造など、1世紀前の作品と現代の傑作には共通する要素がある。
ジュエリーデザイナーであるマーティン・カッツ、ニコス・クーリス、アダム・ニーリー各氏は、アールデコ期の明確な直線や厳格なフォルムから直接影響を受けており、それぞれ異なる形でそれらを取り込んでいる。
ビバリーヒルズを拠点とするカッツ氏の作品はアールデコ様式に極めて忠実で、1920年代のショーケースから取り出してきたかのようだ。
カリフォルニア州ラグナビーチを拠点とするニーリー氏がいつもの有機的なスタイルから離れる時、そのデザインは当時を再現したような印象になる。
クーリス氏は、アテネとミコノスにブティックを構えるギリシャのデザイナーだ。2015年から展開し毎年新作を発表している人気コレクション「Oui」で、アールデコにアレンジを加えている。全ての作品に伝統的なギリシャの技法で黒のエナメルを施しており、ホワイトダイヤモンドやカラーストーンとのコントラストが際立つ。
「私が最も好む美的な影響の一つであるアールデコを表現し、現代的な視点から再解釈している」と同氏は話す。

フェルナンド・ジョルジ氏は、新たな「バーテックス」コレクションをデザインする際、アールデコ期ニューヨークの象徴的な建築から着想を得た。彫刻的な形状で、長方形にカットされたダイヤとイエローゴールドが目を引く。
「私はダイヤの建築的な可能性に魅了された」と同氏。段状のカットやシャープなエッジが「モダニティーと洗練されたシンプルさを完璧に体現している」と言う。
ジュエリーブランド、タフィンの創設者でデザイナーのジェームズ・ド・ジバンシィ氏は、コントラストのある色や天然真珠など、アールデコの要素をたびたび作品に取り入れている。「アールデコの幾何学模様や魅力を、力強い現代的な表現に取り込みたかった。彫刻的なフォルム、リッチな素材、意外性のあるコントラストを融合させた」。
掲載のジュエリーの価格は、特記がない限り問い合わせが必要。
(原文は「ブルームバーグ・ビジネスウィーク」誌に掲載)
原題:Hot Jewelry Companies Find Major Success With Art Deco Designs(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.