いま住宅をめぐって「買うのも借りるのも高い」、そんな状況が続いています。そこで注目されているのが「団地」です。魅力は家賃だけではないようです。

「やっぱり8000万とか1億とか、高いものが多い印象です」

さきほど発表された今年上半期の新築マンションの平均価格は、首都圏で8958万円と過去最高値となりました。影響は賃貸にも及び、平均家賃は過去最高に。

そんななか、ある“割安物件”に注目が集まっています。

横浜市に家族3人で暮らす佐藤さん。

佐藤さん
「色々な条件と金額とかも含めて、ここが一番居心地がいい」

駅徒歩8分、公園や緑も多く、子育てしやすいという、こちらの物件。1LDKの周辺相場が10万円を超えるなか、“割安”だという家賃は…

佐藤さん
「この広さで8万円弱なので、値段的にも優しいかなって」

相場より2割も安いその理由。ここ、築49年の団地なんです。

今年、誕生から70年を迎える団地。当時、▼寝室とダイニングを分離した間取りや、▼水洗トイレ、▼流し台など近代的な設備が整う庶民の憧れの的でした。

それから半世紀以上がたち、老朽化や高齢化が課題となるなか、若い人を惹きつけようと、“割安・おしゃれ物件”へ進化を遂げているんです。

こちらの団地では、去年秋に無印良品を展開する「良品計画」が手掛けた集会所が完成。

佐藤さん
「アパートだと周りとの接点があまりないが、(団地だと)同じ子育て世代とか、身近な話し相手になりやすい」

ほかにも、普通の賃貸では難しいDIYができる団地も多く、安くて自分好みの部屋が作れるのも魅力の一つです。

UR都市機構 石田優 理事長
「団地ってなんか古臭いね、みたいな思いを持っている人もいるが、今にふさわしいものに変えていくことが、場合によっては団地の価値の再発見に」

不動産市場が高騰を続けるなか、70歳の「団地」が再び熱視線を浴びる状況となっています。