(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)のバー理事は15日、銀行と支援団体が連携して「金融包摂の深化と拡大」に取り組んできたとする一方、低所得層のニーズに応えるにはまだ多くの課題があると強調した。
バー理事は首都ワシントンで開かれた連邦準備制度主催の金融包摂会議で、「取り残された世帯や起業家のニーズに沿った手頃な金融サービスが利用しやすくなれば、生活の安定や地域社会の強化、さらには米国経済全体の強化につながる」と述べた。発言は準備原稿に基づく。
また、迅速な決済サービスや責任ある小口融資、信用の利用機会拡大に向けた代替データ活用にも言及し、「これらの取り組みは、金融包摂拡大の面で有望な兆しを示している」と語った。
ボウマンFRB副議長(銀行監督担当)も同日、信用情報が乏しい人に金融サービスを提供する手段として、さらなるイノベーションを検討するよう金融業界に呼びかけた。
同じ会議でボウマン氏は「イノベーションにはさまざまな形がある。例えば、銀行が代替データを活用すれば、手頃な小口融資を提供したり、従来型の貸し手からは融資や金融サービスを受けられないような信用履歴が不十分な人たちにアクセスを提供したりできる」と語った。
さらに、こうした取り組みは、提供するサービスを顧客の財務目標に合致させる助けにもなるとした。
米連邦預金保険公社(FDIC)が昨年公表した報告書によると、銀行口座を持つ米世帯のうち、日常的な銀行取引で主にスマートフォンを使用している割合は48.3%と過去最高に達した。一方で、モバイルバンキングの普及が進んでも高齢者や低所得の世帯ではスマホでの銀行利用が低めだ。
FDICはまた、銀行口座を持たない世帯の割合は2011年の8%超から21年に4.5%まで低下した後、全体としては横ばい傾向だとした。口座を開設しない理由としては、開設費用や不透明な手数料、高い残高維持要件を主な要因に挙げた。
原題:Fed Officials Say More Needs to Be Done on Financial Inclusion(抜粋)
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