米上院外交委員会のシャヒーン民主党筆頭理事をはじめとする同党議員は14日、トランプ政権が「世界における主導権を中国に譲りつつある」と非難する報告書を公表した。

報告書は、貿易戦争や国際社会への関与縮小を挙げ、トランプ政権が「同盟や経済パートナーシップを弱体化させ、中国との競争で打ち勝つ能力を損なっている」と指摘。「トランプ政権下で米国が世界のリーダーの地位から退く一方、中国は米国の撤退の機会を利用しようと積極的に動いている」と警鐘を鳴らした。

これに対しホワイトハウスは報告書の内容を一蹴し、トランプ大統領の外交政策は「誰とでも向かい合い、米国民にとってより良い取引を引き出そうとするもので効果的だ」と反論した。

ホワイトハウスのケリー副報道官は声明で、「最近の貿易交渉で米企業に市場参入の道が開かれ、中国が致死性の高いフェンタニルの規制に乗り出したことで明らかなように、大統領の戦略は成果を上げている」とコメントした。

トランプ政権はすでに米国際開発局(USAID)の事実上の解体に加え、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)やラジオ・フリー・アジア(RFA)を所管する米国グローバルメディア局(USAGM)の予算を大幅に削減し、大規模な人員整理を実施した。

また政権は、米国の国際機関への加盟状況の見直しを命じており、国連人権理事会や世界保健機関(WHO)からはすでに離脱している。

米国務省も、組織改編の一環として数千人規模の外交官や職員のレイオフを開始。さらに、最大で10の大使館と17の領事館の閉鎖を検討していると報じられており、国際社会における米外交の存在感が一段と低下するとの懸念が広がっている。

原題:Senate Democrats Say Trump ‘Ceding Global Leadership’ to China(抜粋)

--取材協力:Catherine Lucey.

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