(ブルームバーグ):中国人民銀行(中央銀行)は14日、中小の金融機関に「合理的な範囲内」で国債への投資を促す一方で、過度なリスク志向に対しては引き続き警戒する姿勢を示した。
人民銀金融市場局の曹媛媛局長は記者会見で、中小の銀行は国債投資において収益とリスク管理のバランスを取るべきだと述べた。
その上で、債券ポートフォリオで積極的な運用を行っている金融機関は、金利リスクや信用リスクに引き続き警戒する必要があると呼びかけた。
人民銀は金融機関による国債投資について慎重な姿勢を維持しているものの、こうした論調は昨年の厳しい警告とは異なる。当時は国債利回り急低下や投機的な国債買い入れ、日本をかつて苦しめたバランスシート不況への懸念が背景にあった。

曹氏は、中国債券市場の全体的な安定性を強調し、財政政策を支える役割にも言及。特に中小の銀行が安全資産への配分を増やし、債券取引によって収益を安定させるためには、合理的な債券保有拡大は認められると説明した。
今年に入っても中国国債に買いが殺到し、指標の利回りは過去最低を更新したが、その後は国債の買い入れ需要が落ち着いた。
最近では株式相場の上昇に伴い投資家の関心が国債から離れ、中国の10年国債利回りが5週間ぶりの高水準となった。トレーダーらは現在、人民銀がこれまでの利下げの効果を見極めるため、追加の金融緩和には慎重との見方をしている。
人民銀の鄒瀾副総裁は同じ記者会見で、すでに実施した政策の影響を注視すると述べ、適度に緩和的な金融政策を維持する姿勢をあらためて示した。
「金融政策の効果が表れるまでには時間がかかり、すでに実施した政策の効果は今後も引き続き示される」と述べ、追加緩和を急ぐ考えがないことを示唆した。
原題:PBOC Supports Banks’ Moderate Bond Buying, Flags Excessive Risk(抜粋)
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