米株式相場は力強い決算シーズンに後押しされて上昇するが、年末にかけて勢いが弱まると、投資家はみている。バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストらが述べた。

ストラテジストのマイケル・ハートネット氏は、「誰も」経済や株式バリュエーションを心配していないとリポートで指摘。投資家の過半数は4-6月(第2四半期)決算が事前予想を上回り、企業は人工知能(AI)への支出増強を表明すると見ているという。

トレーディングのコンセンサスとしては、S&P500種株価指数が8月下旬のジャクソンホール会合に向けて一段と上昇し、その後は下げと戻しを繰り返す「健全な」調整局面に入る可能性が高いと、ハートネット氏は述べた。ジャクソンホール会合はカンザスシティー連銀が毎年開催する年次経済シンポジウム。

 

トランプ米大統領が貿易相手国の多数に一方的な関税賦課を宣言した4月、米株式相場は急落した。株価指数はそれ以降に26%急回復し、S&P500種株価指数は10日、終値ベースで過去最高値を更新した。ただ米国外の主要株価指数に比べれば、今年はまだ出遅れている。

市場の焦点は来週の決算シーズンに移る。ブルームバーグ・インテリジェンスがまとめたデータによれば、S&P500種採用企業は平均で前年比2.8%の増益になるとアナリストは予想。前期の14%増益から著しい減速が見込まれている。

ゴールドマン・サックス・グループのトレーダーも、米株価指数が一段と上昇し、8月にかけて騰勢を失うと予想している。

一方で、米国と主要な貿易相手国との交渉は続いており、ここ数週間は関税に起因する相場の変動は落ち着きを見せている。ハートネット氏によれば、BofAの株式およびクレジット部門ではクライアントがいわゆる「TACOトレード」に賭けている。TACOとは「トランプはいつもビビる(Trump Always Chickens Out)」の略語で、トランプ氏は強硬に揺さぶりをかけておきながら、いつも後になって手を緩めるという意味。

原題:BofA Says Clients Bet on Stock Rally Into Summer Before Pullback(抜粋)

--取材協力:Michael Msika.

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