(ブルームバーグ):人工知能(AI)スタートアップのハーモニックAIが、新たな資金調達ラウンドで1億ドル(約146億円)を調達した。AIモデルが時に苦戦する「数学」という課題に取り組む資金に充てる。同社は、株式取引アプリを運営する米ロビンフッド・マーケッツのブラッド・テネフ最高経営責任者(CEO)が共同で創業した。
今回のシリーズBの調達ラウンドは、ベンチャーキャピタルのクライナー・パーキンスが主導。セコイア・キャピタルとインデックス・ベンチャーズ、パラダイムも参加した。
この取引でハーモニックの企業価値は8億7500万ドルと評価されたと、経営には関与しない執行会長を務めるテネフ氏が明かした。同社のチューダー・アキム最高経営責任者(CEO)はかつて、自動運転スタートアップのヘルムAIを率いていた。
カリフォルニア州パロアルトに本拠を置くハーモニックは、2023年にテネフ氏とアキム氏が設立。同社は、複雑な数学の問題を解くAIシステムを構築し、いわゆる「数学的スーパーインテリジェンス(超知能)」の実現を目指している。主力AIモデルの「アリストテレス」は、年内に研究者や一般に向けて公開される予定だ。
テネフ氏はブルームバーグ・ニュースに対し、「短期的な目標は、あらゆる人間よりも優れたレベルで数学の問題を解けるAIをつくることだ」と指摘。その上で、「最終的な目標は、未解決の数学の難問を解くことであり、それを物理学やコンピューターサイエンスの問題にも広げていくことだ」と語った。
ハーモニックは過去の資金調達ラウンドで、セコイアとインデックスから7500万ドルを調達していた。
原題:Robinhood CEO’s AI Math Startup Valued at Nearly $900 Million(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.