(ブルームバーグ):世界最大の上場ヘッジファンド運営会社、英マン・グループのクオンツ株式部門は、トレーディングのアイデアの生成からコーディング、バックテスト(検証)まで担う新たな人工知能(AI)システムの運用を開始したと明らかにした。
マン・ニューメリック(本社ボストン)が開発した「AlphaGPT(アルファGPT)」と呼ばれるツールは、新たな投資シグナル(株式売買のタイミングを判断するためのサイン)をリサーチャーが導き出すプロセスを模倣するように設計されている。
データを分析してアイデアを探し、潜在的戦略のコーディング作業を行い、過去のデータに基づき検証する。多段階のタスクを自律的に実行できるシステム、エージェント型AIは、シリコンバレーで今最も注目されるトレンドの一つだ。
出力結果は人間による検証が必要で、ハルシネーション(誤情報生成)も大きな問題として残るが、リサーチプロセスのさらなる自動化、ルールに基づくスマートな取引発見のスピード加速を目指す。
シニアポートフォリオマネジャーのジアン・ファン氏によれば、AIシステムが生成した数十件の投資シグナルは、マン・グループの投資委員会が既に承認し、実際の取引に応用される予定だ。
ファン氏は大量のデータセットや学術論文の存在に言及し、「われわれクオンツリサーチャーが昨今直面する課題の一つは、情報が雪崩のように押し寄せることだ。クオンツリサーチで従来不可能だったより複雑なタスクの自動化に向け、AIエージェントによるワークフローを構築できるのではないかという狙いがある」と説明した。
原題:Man Group Says Agentic AI Is Now Devising Quant Trading Signals(抜粋)
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