ドイツ最大の小売業者でスーパーマーケットチェーン「リドル」を傘下に持つシュワルツ・グループは、欧州での人工知能(AI)戦略の中核となる大規模データセンターの開発で主導権を得るべく、政府に投資計画を提示する見通しだ。

事情に詳しい関係者によると、富豪ディーター・シュワルツ氏が率いる非公開企業のシュワルツは11日、数十億ユーロ規模の投資計画を提示する予定だ。非公開協議に関する情報だとして、同関係者は匿名を条件に明らかにした。

欧州連合(EU)は新たなAI「ギガファクトリー」向けに200億ユーロ(約3兆4200億円)の補助金を用意しており、ドイツはその一部を確保したいと考えている。ウィルトベルガー・デジタル相が11日にシュワルツのほか、ドイツテレコムやSAPなど複数企業と「デジタル主権」について協議する予定だという。ブルームバーグがこの会合への招待状を確認した。

シュワルツの広報担当者は、データセンターを巡る入札に関心があると認めたが、詳細なコメントは控えた。ドイツテレコムはこの政府会合への参加を確認した。SAPはコメントを控えた。

デジタル省の報道官は会合の開催を認めたうえで、政府の意向について「ドイツおよび欧州のテクノロジー依存を減らし、AIやクラウド、半導体、サイバーセキュリティ―といった主要技術に関してわれわれ独自の専門性を大幅に強化したい」と電子メールで説明した。

原題:Supermarket Billionaire Wants to Build AI Gigafactory in Europe(抜粋)

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