インフラ投資を手がける米ストーンピーク・パートナーズは、データセンター運営会社プリンストン・デジタル・グループへの出資に向け協議している。事情に詳しい関係者が明らかにした。アジア太平洋地域での存在感を高める狙いがあるという。

ストーンピークはシンガポールに本拠を置くプリンストン・デジタルに仕組み株取引を通じて10億米ドル(約1460億円)余りを投じる可能性がある。協議は継続中で、最終判断は行われておらず、取引の規模や構造などの詳細は今後変更もあり得る。非公開情報だとして、関係者が匿名を条件に語った。

ニューヨークに本社を置くストーンピークの担当者はコメントを控えた。プライベートエクイティー(未公開株、PE)投資会社ウォーバーグ・ピンカスの出資を受けるプリンストン・デジタルからは、コメントの要請に対する返答はなかった。

他にもブラックロック傘下のグローバル・インフラストラクチャー・パートナーズに加え、モリソンなどインフラ投資に特化したファンドがプリンストン・デジタルに関心を示していたと、ブルームバーグ・ニュースは2月に報じている。

関係者によれば、プリンストン・デジタルは財務アドバイザーと協力し、少数株あるいは支配株式の売却を含む選択肢を検討している。

同社は2017年に設立され、中国とシンガポール、インド、インドネシア、マレーシア、日本の6カ国で20余りのデータセンターを運営しているとウェブサイトで説明している。

プリンストン・デジタルは今年5月、アジア全般での成長と人工知能(AI)対応データセンターインフラ開発を加速するため、12億米ドル超の資金を調達したと発表した。

ストーンピークは最近、アジアで積極的な動きを見せている。ブルームバーグは6月、同社がマレーシアのインフラ企業インソン・ホールディングスの買収に向けて独占交渉を行っており、取引額は最大で90億リンギット(約3100億円)に達する可能性があると報じた。これは今年、マレーシア最大級の案件となる見通しだ。

ストーンピークは5月には、経営破綻した中国のコングロマリット海航集団(HNAグループ)傘下からコンテナリース会社シーコを買収することで合意。基本の買収額は17億5000万米ドルだが、調整もあり得るという。

アジアのデジタルインフラセクターにはオルタナティブ資産運用各社が資金を投じている。

米KKRとシンガポールテレコムから成るコンソーシアムは昨年、Tテレメディア・グローバル・データセンターズに優先株とワラントを通じて17億5000万シンガポールドル(約2000億円)を投資することで合意した。

原題:Stonepeak Is Said in Talks to Invest in Warburg-Backed Princeton(抜粋)

--取材協力:Elffie Chew.

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