(ブルームバーグ):世界各国の通商交渉官が、トランプ米大統領との貿易合意を目指してワシントンに足を運び続けている。中でも距離のあるアジア諸国の代表団は、最も多くの移動時間を費やしている。
トランプ氏が4月2日に幅広い貿易相手国に対する関税政策を打ち出して以降、日本、インド、インドネシアなどのアジア各国の交渉団は合わせて、少なくとも20回ワシントンを訪れている。
飛行時間にして770時間以上に上り、空の上でほぼ1カ月を過ごした計算となる。飛行距離は計35万マイル(約56万3270キロメートル)を超え、地球14周分に相当する。
この集計は、各国の首都からワシントンまでの最短の商業便を基準に、公開されている公式会談の情報に基づいて算出した。移動前後の準備や現地での移動時間、また今年カナダで開かれた主要7カ国(G7)首脳会議や韓国でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)など、国際会議の合間に行われた非公式協議やリモート会談などは含まれていない。
交渉官たちのワシントン詣では、まだ終わりそうにない。トランプ氏が関税引き上げの発動を8月1日まで延期したことで、今後数週間にさらなる訪問が見込まれる。
中でも、32%の関税措置を突きつけられているインドネシアの首席交渉官は今週ワシントン入りする予定だ。インドや台湾のように直行便がない国にとっては、道のりはさらに遠い。
まだ米国との通商合意に至っていないアジア各国の交渉団が、ワシントンまでの往復で積み重ねた飛行時間と移動距離は以下の通り。
日本
日本は通商交渉で最も積極的な国の一つであり、赤沢亮正経済再生担当相はこれまでにワシントンを7回訪問している。
- 175時間
- 9万4780マイル
インド
アガルワル首席通商交渉官率いるインド代表団は、これまでに3回ワシントンを訪れている。
- 120時間
- 4万5120マイル
韓国
韓国政府関係者はこれまでに4回、米国を訪問している。うち2回は前政権、残る2回は李在明大統領と新任の呂翰九通商交渉本部長の下で実施した。
- 108時間
- 5万5520マイル
台湾
楊珍妮通商交渉官率いる台湾代表団は、これまでに3回ワシントンを訪れており、今週も米国入りしている。
- 108時間
- 4万7106マイル
マレーシア
マレーシア代表団はこれまでに2回ワシントンを訪問している。
- 92時間
- 3万8216マイル
インドネシア
インドネシアではハルタルト経済担当調整相が交渉を主導しており、米国との通商協議として2回目となる会合のため8日にワシントン入りする。
- 90時間
- 4万0656マイル
中国
中国は、貿易交渉のためにワシントンを訪れていない数少ない国の一つ。代わりに何立峰副首相がジュネーブやロンドンで協議を行っている。
- 42時間
- 2万0445マイル
タイ
チュンハワジラ財務相を団長とするタイの通商代表団の公式訪米は1回のみ。
- 42時間
- 1万7690マイル
原題:Asia Trade Chiefs Travel 800 Hours to Secure Elusive US Deals(抜粋)
--取材協力:Shadab Nazmi、Ben Otto、Thomas Kutty Abraham、Manolo Serapio Jr、Jing Li、Yian Lee、Heesu Lee、Claire Jiao.
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