(ブルームバーグ):トランプ米大統領が銅の輸入に高率の関税を課す計画を表明したことで、米国の製造業者が支払うコストは既に急騰している。8日のニューヨーク市場では銅先物が急伸し、ロンドン金属取引所(LME)の銅相場を25%上回る水準となり、米製造業者は他国のライバルに比べて大幅に高いコストを強いられている。
トランプ氏は8日、銅の輸入に50%の関税を賦課する方針を明らかにした。2月に銅への関税賦課につながり得る調査を商務省に指示する大統領令に署名していた。
50%という関税率は、トランプ氏が米国内への生産回帰を狙って鉄鋼・アルミニウムに課した関税と同水準となる。ただ、米製造業者は購入する銅のほぼ半分を海外のサプライヤーに依存しているため、特に打撃が大きくなる見通しだ。
ニューヨーク市場の銅先物相場は、数カ月前から上昇基調にある。関税が実際に発効する前に駆け込みで在庫を確保する動きが広がったためだ。その過程で、米製造業者が支払う投入コストは上昇し、外国の競合他社との差が広がっている。

米国の銅の買い手は既に、関税が及ぼす長期的な脅威に警鐘を鳴らしており、米製造業の復活や中国の産業力への対抗といったトランプ氏が掲げる中核的な目標をかえって損なう恐れがあると主張している。
米国の大手銅輸入業者サウスワイヤの担当者は4月、トランプ氏の要請を受けて関税導入の是非を調査していた米商務省に提出した書面でのコメントで、「銅カソード輸入を制限すれば、銅の供給先が中国へと移るだけだろう」と指摘。
「同時に、供給不足を解消できるほど急速に米国の銅生産を増やすことはできないため、米国の銅生産業者は特に短中期的に深刻な供給不足に見舞われることになる」との見解も示した。
こうした警告は聞き入れられなかったようだ。ラトニック米商務長官は8日のCNBCとのインタビューで、商務省による調査は終了しており、どの程度の関税を課すかはトランプ氏の判断に委ねられていると述べた。

原題:Trump’s Copper Tariff Threats Are Already Raising Factory Costs(抜粋)
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