イーロン・マスク氏が率いる宇宙開発企業スペースXが、企業価値を約4000億ドル(約59兆円)と評価し、新たな資金調達と内部関係者による株式売り出しを計画している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

実現すれば評価額は、昨年12月に実施された株式買い戻し時の3500億ドルを上回り、米国の非公開企業としては過去最高となる見通しだ。動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を運営する中国のバイトダンス(字節跳動)や、オープンAIに匹敵する水準となる。

スペースXの広報担当者は、コメントの要請に対し現時点で返答していない。

関係者によると、評価額は急成長を遂げている衛星インターネット事業スターリンクや、大型宇宙船「スターシップ」が新たな節目を迎えたことなど、複数の要因を反映している。スターリンクはスペースXの年間売上高の過半を占めているという。

すでに業界有数のロケット打ち上げ事業者であるスペースXは、6月にテキサス州の試験施設で発生した大規模爆発を含む一連の爆発事故の後、革新的な打ち上げシステムの開発を再び軌道に乗せようと取り組んでいる。

関係者によれば、スペースXの資金調達戦略は、まず投資家向けに少数の新株を発行する資金調達ラウンドを実施し、その価格を基準に、従業員や初期投資家の保有する株式の売り出しを並行して行う。

ただ、今回の資金調達の詳細は、内部株主や買い手の関心度合いにより変更される可能性がある。

原題:SpaceX Valuation Said to Hit Around $400 Billion in Buyback (2)(抜粋)

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