トランプ米大統領は8日、上乗せ関税の8月1日の発動に追加の猶予を設けないと明言し、自身の関税政策を推し進める意向を示した。また、セクター別関税の一環として銅や医薬品に新たに高関税を課す方針を表明した。

7日には上乗せ関税の導入期限を延長する大統領令が発出され、日本など一部貿易相手国に関税率を通知する書簡が公表されたが、市場では当初あまり大きな反応は見られなかった。しかし、この日、トランプ氏が強い決意を示したことで投資家の警戒感が高まった。

トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、「関税の徴収は2025年8月1日から開始される。この日付に変更はなく、今後も変更されることはない」と説明。「言い換えれば、全ての関税支払いは8月1日から発生し、延長は一切認められない」とコメントした。前日には8月1日の期限について「100%確定ではない」と含みを残していたが、一転して強硬な立場を打ち出した。

トランプ大統領(中央)とルビオ国務長官(7月8日)

その後にトランプ氏は、少なくとも7カ国との貿易に関する最新情報を9日午前に発表し、午後にはさらに多くの発表があると投稿した。

1988年以来

トランプ氏は8日、銅に対する関税率についての記者の質問に、「銅には50%の関税を賦課するつもりだ」と答えた。これを受けて、ニューヨーク商品取引所(COMEX)の銅先物価格は一時17%上昇。日中の上昇率としては少なくとも1988年以来の大きさを記録した。

トランプ氏はまた、医薬品メーカーに対して、関税導入までに米国内に生産拠点を移転するための猶予期間を設ける意向も表明。「およそ1年から1年半の猶予を与える」とし、「それ以降は、医薬品を国外から米国に持ち込む場合、200%といった極めて高水準の関税を課す。一定の期間を与えるが、その間に体制を整える必要がある」と述べた。

これを受けて、S&P500医薬品関連株指数はマイナス圏に沈み、イーライリリー、メルク、ファイザーは上げ幅を縮小した。

8月1日の上乗せ関税期限の延長は認めないとトランプ大統領

欧州連合(EU)についてトランプ氏は、通商協議は進展しているとしながらも、米テクノロジー企業に対する課税や制裁金に不満があることから、向こう2日以内にEUに新たな関税を一方的に通知する可能性があると記者団に語った。

また、数時間前に通商合意が近いと話していたインドについては、主要新興国グループ「BRICS」参加を理由にインドからの輸入品に追加で10%関税を課すつもりだと述べた。

トランプ政権は7日、各貿易相手国との交渉がまとまらない場合に発動される関税率を記した書簡の送付を開始。ラトニック商務長官は8日のCNBCとのインタビューで、今後2日間でさらに15-20通の書簡を送る見込みだと述べた。

 

原題:Trump Vows No Tariff Extension, Hardens Threats on Copper, Drugs(抜粋)

(トランプ大統領の新たな投稿を本文4段落目に追加して更新します)

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