シニア世代が最も節約したい費用は「水道光熱費」~節約志向でも、猛暑への備えや工夫は重要~
他方、節約したいと答えた人が多かったのは「水道光熱費」だ。「水道光熱費」に関しては、経済的な暮らし向きについて「家計にゆとりがなく、多少心配である」「家計が苦しく、非常に心配である」と答えた人に加え、「家計にあまりゆとりはないが、それほど心配なく暮らしている」と答えた人でも6~7割近くが節約したいと答えている。シニア世代がイメージする水道光熱費には地域や季節による違いもあると思われるが、夏場は、涼のとり方を工夫するなどして水道光熱費を節約したいと考える人もいるのではないか。
すでに気温の高い日が続いている地域も多く、特に高齢のシニア世代やその家族にとっては、体調管理や熱中症対策が気になるだろう。
高齢のシニア世代が家庭生活で熱中症を予防するには、水分摂取やエアコンをうまく利用することが重要である。特に高齢のシニア世代は、暑さを感じにくい場合があるため、必要に応じてエアコンをうまく活用できると安心だ。しかしながら、光熱費の節約志向や、環境問題からの節電意識、リモコンの操作・設定の難しさや苦手意識などから、エアコンの利用を控えたいと考えるシニア世代もいる可能性がある。扇風機やサーキュレーターを併用したり、エアコンの設定温度を適切にすること、室内の風通しや日中の日差しの遮り方などの工夫、体温調整がしやすい衣類・寝具を併用することなども、節電や快適性の向上につながるだろう。
食費や水道光熱費など、家計の節約を意識するシニア世代は、食生活の栄養バランスや体調管理に留意しながら、安心して夏を乗り切るための準備を進めていくことが大切になる。
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(※情報提供、記事執筆:第一生命経済研究所 ライフデザイン研究部 副主任研究員 北村安樹子)