(ブルームバーグ):米政府の対外援助削減に伴い、世界の低・中所得国で、2030年までに死者が約1400万人増える恐れがあるとの研究結果が公表された。トランプ米政権は、援助プログラムを担う米国際開発局(USAID)の人員削減を進め、事実上の解体に動いた。
英医学誌ランセットに6月30日に掲載された研究報告によれば、 低・中所得国133カ国の01-23年のデータを基に推計した結果、USAIDが資金拠出したプログラムにより、過去約20年で子供3000万人を含む9100万人余りが死を免れた。
だがUSAIDの縮小がこのまま続けば、これらの国々では今年だけで180万人、30年までの累計で1400万人(うち5歳未満の子供は450万人)の死者の増加が見込まれるという。
研究報告は「米国の支援削減と、他の国際援助国への予想される波及効果により、人の発達で最も重要な時期の一つが突然停止し、覆される恐れがある」と警告。「今回の危機は、回避し得る意図的な政治的選択に起因しており、子供と若年層に偏って負担が降りかかり、その余波が数十年続くことになりかねない」と指摘した。
政府の人道支援金に占める米国の割合は23年時点で43%と、10年前の39%から増えた。24会計年度には、USAIDが管理・運営する対外援助は350億ドル(約5兆円)を上回った。
研究報告によると、USAIDからより多くの支援を受ける国々では、全体の死亡率が15%、子供の死亡率が32%低下していた。疾患別ではエイズウイルス(HIV)が65%、マラリアが51%、いわゆる「顧みられない熱帯病」は50%の抑制が確認された。
原題:Trump’s USAID Cuts May Cause Over 14 Million Deaths, Study Warns(抜粋)
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