マシュー・タトル氏は、米企業への政治的影響力に着目し、利益を得ることを目指す個人投資家向けファンドに需要があると考える。反エスタブリッシュメント(既得権益を持つ支配層)感情が強まる状況が背景にある。

タトル氏は先週、現職大統領のインナーサークルや連邦議会の議員など、政界と明らかに結び付きを持つ企業のポートフォリオ構築を目指す上場投資信託(ETF、ティッカーGRFT)の上場申請に動いた。

目論見書によると、このETFは一般投資家に権力と利益との関係に着目し取引を行う手段を与え、ワシントンのインサイダー文化に投資する機会を実質的に提供する。

タトル・キャピタル・マネジメントの創業者で最高投資責任者(CIO)を務めるタトル氏が付けた挑発的なティッカーは、辛辣(しんらつ)な批判を暗示する。しかし、金融商品としては同業他社が先行した流れを踏襲する形となる。

証券規則の情報開示に基づき超党派議員の取引情報を追跡する「アンユージュアル・ホエールズ・サブバーシブ・デモクラティック・リパブリカン・トレーディングETF(ティッカーNANC、GOP)」は2023年に上場された。

インタラクティブ・ブローカーズのチーフストラテジスト、スティーブ・ソスニック氏は「間違いなく気の利いたテーマがそこにはある。ETF市場は乱戦模様で、差別化が難しい。政治色が非常に顕著だが、これは格好の差別化手段のように思われる」と指摘した。

 

原題:‘GRFT’ ETF Aims to Let Americans Bet on Washington Insider Ties(抜粋)

--取材協力:Emily Graffeo.

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