(ブルームバーグ):米ウォルト・ディズニーは、傘下のスポーツブランドESPNのアジア展開を強化する。世界最速ペースで成長するアジアのストリーミング市場でさらなる事業拡大を目指す。
アジア太平洋地域部門のルーク・カン社長はインタビューで、ディズニーは動画配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」にライブスポーツを追加するほか、アジア全域で段階的にESPNを展開していく計画だと語った。スポーツの放映権やファン層は国・地域によって違うため、市場ごとに導入時期は異なる見通しだという。
同社は今年に入り、オーストラリアとニュージーランドでDisney+にESPNを導入していた。
カン氏は香港で開催された「ディズニーAPACコンテンツ・ショーケース」の合間に、「長期的な目標は、世界の他の地域と同様にESPNをプラットフォームに導入し、いずれスポーツ配信の中心的な存在とすることだ」と説明。「常にあらゆるスポーツ放映権を検討し、ESPNを始動する適切なタイミングを見極めようとしている」と語った。
スポーツ配信は、世界的な成長を図る米メディア企業の主戦場となっている。現地プラットフォームがスポーツ生中継を支配しているアジアでも、各社は相次いでディールを結んでいる。
アマゾン・ドット・コムの「プライム・ビデオ」は、韓国の放送局SPOTVとの提携を通じて、日本で米大リーグ(MLB)の試合を配信する権利を獲得。一方、ネットフリックスは、2026年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を日本で独占配信する予定だ。
カン氏によると、ディズニーも日本や東南アジアで新たなライセンス契約やスポーツイベントの可能性を検討している。
コンサルティング会社メディア・パートナーズ・アジアによると、Disney+は現在アジア3位のストリーミングプラットフォームであり、25年末時点でインドと中国を除く地域で1900万人の加入者と14億ドル(約2200億円)の売上高が見込まれている。
原題:Disney Eyes ESPN Expansion in Asia to Boost Streaming Content(抜粋)
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