アラスカ航空が運航するボーイング737MAXのドアプラグが離陸直後に吹き飛んだ昨年1月の事故について、米国家運輸安全委員会(NTSB)は工場の作業員に対する訓練や監督が不十分だったことが原因と判断した。

この事故では空中で胴体に穴があいた。死者は出なかったものの、当局がボーイング製造施設の品質管理の問題を調べるなど、同社は厳しい状況に置かれていた。

NTSBは24日、事故原因について判断する会合を開き、ドアプラグなどの部品の取り外しや、必要なボルト・ハードウエアを用いた再取り付けの実施の有無について、作業員が文書で記録をとるよう十分な訓練や監督がなされていなかったことが原因の可能性があると結論づけた。

NTSBの初期調査では、ワシントン州レントンの工場から出荷されたドアプラグに本来あるべき4つのボルトが取り付けられていないことが判明していた。

調査責任者のダグ・ブレイジー氏は、ボーイングでは今回の事故と類似する部品の取り外しが過去にもあったと指摘した。

NTSBはまた、米連邦航空局(FAA)のボーイングに対する「不十分な監督」を非難した。NTSBのホメンディ委員長は会合の冒頭で、「これまでFAAがどこで何をしていたのか、非常に疑問を抱いている」として、「航空安全を確保するうえで、FAAは最後のとりででなければならない」と述べた。

今月にはインドでボーイング旅客機が墜落して乗客乗員241人、地上の複数人が死亡した事故が発生。同社への風当たりは再び強まっている。インドの事故原因はまだ判明していない。

ボーイングのケリー・オートバーグCEO

FAAはNTSBの勧告を慎重に検討し、監督業務に関する見直しを進めていると明かした。

声明では「アラスカ航空のドアプラグの事故以来、ボーイングに対する監督のあり方を根本的に見直している。今後もボーイングの構造的な製造品質の問題を是正するため、積極的に監督していく」としている。

ボーイングは、NTSBの最終報告書や勧告の内容を精査し、「全ての業務で安全性と品質向上に向けた取り組み」を継続するとのコメントを発表した。

「非定型」作業

ホメンディ委員長は会合の休憩時間に記者団に対し、「非定型」作業であるドアプラグの取り外しは通常の製造工程では想定されておらず、作業員はその対応について十分な訓練を受けていなかったと語った。

該当の作業は記録されておらず、NTSBの航空宇宙エンジニア、ポチョロ・クルス氏は誰がドアプラグの取り外しと再取り付けを行ったのか、特定できていないと明かした。同氏は欠落していたボルトの行方は不明で、捨てられた可能性があると述べている。

また、事故後に、FAAはボーイングに対する監督を強化しており、クルス氏によると検査官を事故前の34人から55人に増員したという。

さらにFAAは、事故が起きた737MAXの生産を月38機に制限している。ボーイングは昨年、品質問題に対応するため自主的に生産ペースを落としていたが、現在はこの上限に近づく水準まで回復している。ケリー・オートバーグ最高経営責任者(CEO)は、規制当局の承認が得られれば年内後半に上限の撤廃を目指すとしている。

原題:Boeing’s Lack of Training, Oversight Blamed for 2024 Blowout (4)(抜粋)

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